DRY EYEドライアイ
原因に応じた治療法を選択することが重要です
近年、ドライアイという言葉は広く知られるようになりましたが、一般的に
“涙が少ないために目が乾く病気”と認識されていることが多いかと思われます。しかし実際には、涙の量だけの問題ではなく、涙の質の異常により眼の表面の涙液の不安定性から起こる障害もドライアイの定義に含まれています。
このふたつのメカニズムは似て非なるものですので、ドライアイの治療としては、原因に応じた治療法を選択することが重要です。
ドライアイの原因としては、ホルモンバランスの影響(ドライアイが女性の多いのはこのためです)や、生活環境(VDT症候群など)、コンタクトレンズによるものなどが考えられます。また一般的に、レーシックをするとドライアイになりやすいことは知られていますが、コンタクトレンズによるドライアイで困っている方の場合、レーシックをすることで逆に楽になる方が多いのも事実です。
また、ドライアイの症状として、乾燥感。ゴロゴロ感というのが代表的ですが、忘れがちな症状にかすみ目(霧視)があります。目のレンズの一部である角膜に細かい傷ができて、すりガラス状になるためです。
ドライアイセルフチェックシート
(12項目のうち、5項目以上あてはまる人はドライアイの可能性を疑います)
検査法
- BUT検査:涙液層の安定性を測定します
- 染色検査:角膜の傷の有無を検査します
- シルマーテスト:涙の分泌量を測定します
治療法
ドライアイの治療としては点眼薬が主体になりますが、ただ漫然と保湿の点眼薬を使用するだけでは改善しないことも多く、原因を的確に見極めたうえで、治療法を選択することが重要です。
- 人工涙液点眼薬:不足している涙液を補充します
- ヒアルロン酸点眼薬:角膜表面の涙液の安定性を向上させます
- 涙液分泌促進薬(ジクアス・ムコスタ点眼):自身の涙液の分泌量を増やす点眼薬です
- 涙点プラグ:涙の出口(涙点)にシリコンの蓋をかぶせ、必要以上に涙が出ていかないようにするための治療法です
- IPL治療:光刺激をまぶたにあてることでマイボーム腺を刺激し、ドライアイを改善させる治療です。(自費診療になります)